2014年3月23日日曜日

イベント活動報告③ 「2013年度実施 舞台鑑賞会」


 2013年の10月25日、メディアプロデュース学会主催の舞台鑑賞会に参加し、金山の日本特殊陶業市民会館にて初めて生の歌舞伎を観た。面白かったのは、客席から定期的に「○○屋!」と叫ぶ声が上がったり、拍手があがったりすることだった。「○○屋!」は7:3くらいで失敗と成功を繰り返して、上手いタイミングで入るより「ここは違うだろ!」というタイミングに入る方が多かったと記憶している。あれにも熟練があるのだろう、その発見は新しかった。
 映画でも演劇でも、何かを観るとき「客席から音を出す」ということはノイズであり、セリフや音楽が聞き取れなくなるから憚られることなのが常識だったから、それらの「客席からの音」は新鮮だった。伝統芸能なのに新鮮とは、変な話だが。しかし「見得を切る」場面で呆然と観てるだけなのはむしろマナー違反だろうし、「○○屋!」も上手いタイミングに入ると気持ちeものだった。残念なところ、ストーリーというか、内容はあまりはっきりとは覚えていない。それには二つ理由がある。
 一つは、音声ガイドが過剰に説明してくるため舞台上のセリフと音声が被り、セリフを追うか解説を追うかどっちつかずのまま観ていたから内容が疎かになったのだ。解説を聴きながらセリフも聞くような器用なことは出来なかったし、650円払った事実がケチ心を煽りイヤホンを外す決心を妨げた(断っておくが、ガイドがない方が良かったとまでは思わない。あって良かったところもある)。
 もう一つは、「お染の七役」の入れ替わり芸に舌を巻き、どうやって入れ替わってるんだろうとまじまじ見ていたら内容を追うのを忘れていた。
 そうはいっても大体のあらすじは覚えている。二本あって、「死のうか」「やっぱり死なない」と「死のうか」「よし死のう」「死んだ」みたいな話だったと思う。二本とも男女の結ばれない恋愛→心中で、江戸時代は本当に心中好きだと感心したものだった。しかし最初の「西郷と豚姫」は、結ばれないが死なない。それはこれが幕末の話で、江戸時代と明治の過渡期、つまり近代化へ向かう最中の話だから、旧時代的な心中ものからの脱出を意図して作られているのだろうか。
 観る前は、歌舞伎というのは敷居が高いように思えたが、観てみるとそんなことはなく結構楽しめるものだった。
 多分、敷居が高い理由はチケットの値段の高さが主だと思う。学生にはなかなか手が出せないもので、だからこそ、こういう手に届きやすい値段で観れる学校の企画には、感謝している次第です。

(メディア表現コース・4年生)

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